運用・保守から始めるSalesforce活用改革
現行基盤を活かし、“攻めの事業基盤”へ進化

企業様の業種・事業内容
投資不動産事業
従業員数
80名規模
ご利用製品
Sales Cloud / Account Engagement(旧Pardot)/ SVFCloud
本記事で紹介するのは、投資不動産事業を行う企業様の導入事例です。
投資用不動産事業を展開する同社では、営業管理基盤としてSalesforceを早期に導入し、リード管理やMA活用において一定の成果を上げていました。一方で、事業の成長に伴い、部門間での情報分断や運用改善の停滞といった課題が顕在化。新規で作り直すのではなく、既存環境を活かした運用・保守フェーズからの改善を選択しました。限られた予算の中で段階的にSalesforce活用を拡張し、事業成長を支える基盤へと進化させた取り組みをご紹介します。
【Salesforce導入当初の背景】営業管理基盤として一定の成果を実感
同社がSalesforceを導入した背景には、投資用不動産事業の拡大に伴い、営業活動の効率化とプロセスの可視化が重要なテーマとして浮上していたことがありました。
顧客情報や商談状況を個別に管理する従来の方法では、営業活動全体の進捗を把握しづらく、担当者ごとの対応に依存しやすいという課題を感じていたといいます。
そこで同社は、営業基盤を強化する手段としてSalesforceを採用しました。
Salesforce社や大手開発ベンダーの支援のもとでシステムを構築し、リード情報・商談情報を一元管理できる環境を整備。あわせて、MA(マーケティングオートメーション)も活用し、営業活動をデータに基づいて管理・改善できる仕組みを整えていきました。
導入後は、営業活動の見える化が進み、案件の進捗状況や対応履歴をチーム全体で把握できるようになりました。
営業担当者は共通の情報をもとに行動できるようになり、報告や確認にかかる手間も軽減。営業現場からも「業務が整理され、以前より動きやすくなった」といった声が上がるなど、日々のオペレーションにおいて一定の成果を実感していたといいます。
このように、Salesforceは営業管理ツールとして安定的に稼働し、「導入は成功している」と評価できる状態にありました。
一方で、この段階での活用範囲は主に営業領域にとどまっており、事業の成長に伴う部門間連携や、全社的な業務最適化までを見据えた活用については、まだ模索の余地が残されていました。
【運用開始後の新たな課題】成長とともに見えた“次の壁”
Salesforceは営業管理基盤として安定的に稼働し、日々の業務を支える存在となっていました。
しかし、事業の成長とともに活用シーンが広がる中で、導入当初には見えなかった新たな課題が、徐々に顕在化していきました。
部門間で情報がつながらず、提案準備が非効率に
同社では、営業部門に加え、物件の仕入れや賃貸管理といった複数の部門が連携しながら事業を推進しています。
ところが、Salesforceの活用は主に営業領域にとどまっていたため、仕入れ状況や賃貸管理の稼働状況といった重要な業務情報が、営業部門に十分に共有されていない状態が続いていました。
その結果、営業担当者が顧客へ提案を行う際には、最新の物件情報や運用状況を把握するために、別の管理資料を確認したり、他部門へ個別に問い合わせたりする必要がありました。
情報確認に時間がかかるだけでなく、担当者によって把握している情報に差が生じるなど、提案品質のばらつきや業務の非効率につながる場面も少なくありませんでした。
Salesforce自体は安定して稼働しているものの、部門を横断した情報連携の基盤としては使い切れていない。
こうした違和感が、現場レベルで徐々に共有されるようになっていきました。
改善が回らない──相談先不在と属人化する運用体制
もう一つの課題は、Salesforceを継続的に改善していくための体制面にありました。
日常的なメンテナンスや軽微な設定変更については、社内のITリテラシーが高い事業担当者が対応し、やや複雑な改修が必要な場合には、フリーランスのエンジニアへスポットで依頼するといった運用を行っていました。
この体制により、短期的な修正や個別対応は可能だった一方で、Salesforce全体を俯瞰しながら改善を回していく専任の体制は社内に存在していませんでした。
そのため、「誰に相談すればよいのか分からない」「小さな改善が後回しになる」といった状態が次第に増えていったといいます。
また、対応できるメンバーが限られていたことで、運用は特定の担当者に依存しやすくなり、属人化が進みつつある点にも不安を感じていました。
担当者の変更や、事業スピードのさらなる加速に対して、現行の体制で対応し続けられるのかという懸念もあったといいます。
結果として、「現状維持はできているが、改善が進まない」という状態に陥っていました。
営業・仕入れ・管理といった全社の業務を横断した視点での設計や改善に踏み出せないことが、Salesforce活用を次の段階へ進めるうえでの大きな壁となっていたのです。
【ベンダー切り替えの検討ポイント】現行環境を活かすための判断軸
Salesforce活用を次の段階へ進める必要性は感じていたものの、外部ベンダーへの依頼、特に既存環境を別のベンダーに引き継ぐという選択には、大きな心理的ハードルがありました。
こうした懸念を踏まえ、同社では単にSalesforceに詳しいベンダーを探すのではなく、運用フェーズの実情を理解したパートナーかどうかを軸に、検討を進めました。
パートナー選定において重視したポイント
現行環境を前提に、理解から支援できること
これまで積み上げてきた設計や運用を尊重し、新規構築を前提としないこと。
引き継ぎから改善までを、止めずに進められること
現状把握・ドキュメント化を行い、日常業務に影響を出さず段階的に改善できること。
部門横断の業務を理解したうえで提案できること
営業・仕入れ・賃貸管理といった業務全体を俯瞰し、実務に即した提案ができること。
予算やフェーズに応じて、長期的に伴走できること
スモールスタートが可能で、状況に応じて支援範囲を広げられること。
これらの判断軸をもとに検討を進める中で、同社は「どのベンダーに依頼するか」ではなく、「誰と一緒にSalesforceを育てていくか」という視点で、パートナー選びを行うようになっていきました。
【クオンツを選んだ理由】運用フェーズに寄り添うパートナー
複数のベンダーを比較・検討する中で、同社がクオンツをパートナーとして選んだ理由は、単にSalesforceの技術力が高いからではありませんでした。
運用フェーズの実情を踏まえ、現行環境を起点に改善を進めていく姿勢が、同社の判断軸と合致していたことが決め手となりました。
現行環境を前提に、理解から支援する姿勢
クオンツは、初期の段階から「新しく作り直す」ことを前提とせず、まずは現在のSalesforce環境を正しく理解することを重視していました。
これまでの設定や運用についても、「なぜこの形になっているのか」という背景まで丁寧にヒアリングし、過去の判断を否定するのではなく、尊重したうえで改善の可能性を探る姿勢が印象的だったといいます。
このアプローチにより、同社が抱いていた「これまで積み上げてきたものが無駄になるのではないか」という不安は、徐々に解消されていきました。
止めずに改善を回す、現実的な進め方
もう一つ大きな評価ポイントとなったのが、引き継ぎから改善までの進め方が具体的に示されていたことでした。
現状把握やドキュメント整理から着手し、日常業務に影響を与えない形で、優先度の高い課題から段階的に改善を進めていくという方針は、業務を止めることなく前に進めたいという同社の要望と合致していました。
「まずは運用・保守から始め、状況を見ながら改善範囲を広げていく」という現実的な提案は、無理のない第一歩として受け止められたといいます。
部門横断の業務を理解したうえでの提案力
クオンツは、Salesforceの機能や設定だけでなく、営業・仕入れ・賃貸管理といった事業全体の業務フローを理解しようとする姿勢も評価されました。
単なるシステム運用の代行ではなく、「業務の流れの中で、どの情報をどう活かすべきか」という視点から提案があったことで、Salesforceを全社的な基盤として育てていくイメージを持つことができたといいます。
部門ごとの事情を踏まえたうえで改善を検討してくれる点は、部門間連携を課題としていた同社にとって、大きな安心材料となりました。
予算やフェーズに応じて、長期的に伴走できる体制
限られた予算の中でSalesforce活用を進めていく必要があった同社にとって、スモールスタートが可能であることも重要な判断材料でした。
クオンツは、初期から大規模な投資を前提とするのではなく、予算やフェーズに応じて支援内容を調整し、長期的に伴走していくスタンスを明確にしていました。
この柔軟な体制により、「まずは小さく始め、成果を見ながら次のステップを検討できる」という安心感を持って支援を任せることができたといいます。
【クオンツの支援内容】運用・保守を起点とした段階的改善
クオンツは、本プロジェクトにおいて、既存のSalesforce環境を前提に運用・保守を起点とした段階的な改善支援を実施しました。新規構築や大規模な刷新ではなく、現状を正しく理解し、優先度の高い課題から着実に手を入れていくことを基本方針としています。
まずは、本プロジェクトの概要をご紹介します。
プロジェクト概要
対象システム:投資不動産会社様の「営業支援システム」
背景・課題:部門間の情報分断と相談先不在により、Salesforce活用が現状維持にとどまっていた。
導入ソリューション:Sales Cloud / Account Engagement(旧Pardot)/ SVFCloud
引き継ぎ期間:1ヶ月
支援期間 :4年8か月(2021年10月~ ※現在も継続中)
支援工数:毎月40時間
支援内容:
既存システム仕様の解析 / 業務プロセスの整理
要件定義 / 設計・構築(Salesforceカスタム開発)/ 運用定着化支援
上記の前提を踏まえ、支援は次の4つの観点で進めました。
現行環境の把握と可視化(現行環境を理解し、活かす)
支援開始にあたり、最初に取り組んだのは、Salesforceの設定内容や運用状況の整理です。
これまで個別に追加・修正されてきた項目や設定について、「どの業務で、誰が、どのように使っているのか」を一つひとつ確認し、現行環境の全体像を可視化しました。
あわせて、運用ルールや背景となる業務プロセスについてもヒアリングを行い、属人的になっていた判断や運用を整理・ドキュメント化。
これにより、現行環境を否定することなく、改善の前提となる共通認識を関係者間で持てる状態を整えました。
運用・保守体制の整備(止めずに改善を回す)
日常的な運用・保守においては、小規模な設定変更や改修にも迅速に対応できる体制を構築しました。
定例ミーティングを通じて、現場で発生している課題や改善要望を共有し、緊急度や影響範囲を踏まえて、対応の優先度を整理しながら改善を進めています。
この進め方により、「どこに相談すればよいか分からない」「改善が後回しになる」といった状態を解消。
運用を止めることなく、小さな改善を積み重ねていける仕組みを整えました。
部門間連携を見据えた改善施策(業務全体を俯瞰した設計)
営業部門だけでなく、物件の仕入れや賃貸管理といった他部門の業務も踏まえ、Salesforce上で扱う情報の整理と見直しを行いました。
部門ごとに管理されていた情報をどのように連携させるべきかを検討し、営業活動に必要な情報がスムーズに活用できる形へと改善しています。
これにより、営業担当者が提案時に必要な情報をSalesforce上で確認できるようになり、部門間のやり取りにかかる手間を削減。
Salesforceを部門横断で活用できる基盤へと進化させていきました。
将来拡張を見据えた設計整理(長期的な伴走を前提に)
目先の課題解決にとどまらず、今後の事業成長や業務拡張を見据えた設計整理も並行して支援しました。
現行環境の制約や改善余地を明確にしたうえで、将来的に想定される活用拡張について整理し、段階的に取り組める形で共有しています。
これにより、短期的な改善と中長期的な構想を切り離すことなく、「今できること」と「将来に向けた選択肢」を両立させた運用が可能となりました。
【成果】部門横断の情報共有と業務効率の向上
クオンツによる運用・保守を起点とした継続的な改善支援により、同社ではSalesforceの活用範囲が徐々に広がり、業務面・組織面の双方で明確な変化が生まれました。営業管理ツールとして利用されていたSalesforceは、部門を横断して業務を支える基盤へと進化していきました。
まず大きな変化として、これまで営業部門を中心に活用されていたSalesforceを、仕入れ部門や賃貸管理部門の業務にも活用できる基盤へと拡張できた点が挙げられます。部門ごとに分散して管理されていた情報が整理され、必要なデータをSalesforce上で確認できるようになったことで、情報確認や調整にかかる手間が大きく削減されました。
部門間のデータ共有が進んだことで、営業担当者は最新の物件情報や運用状況を踏まえた提案が可能となりました。これまで発生していた他部門への問い合わせや資料確認の待ち時間が減り、提案準備がスムーズに進むようになったことで、営業活動そのものに集中できる時間が増えています。あわせて、情報のばらつきが解消されたことで、提案品質の安定化にもつながりました。
また、運用・保守体制が整ったことにより、Salesforceに関する改善要望や課題が、滞留せずに継続的に解消される状態が生まれました。小さな改善でも気軽に相談できる環境が整い、現場の声を反映しながら改善を積み重ねていけるようになったことで、「現状維持はできるが改善が進まない」という状態から脱却しています。
こうした取り組みを通じて、Salesforceは単なる営業管理ツールではなく、事業成長を支える基盤としての位置づけへと変化しました。その結果、社内におけるSalesforce活用への評価も高まり、システム投資に対する考え方にも変化が生まれています。
実際に、Salesforceの活用が業務効率の向上や部門連携の強化に寄与していることが明確になったことで、Salesforce関連のシステム投資予算は従来の約3倍に拡大しました。運用・保守から始まった取り組みが、より戦略的なIT投資へと発展するきっかけとなっています。
このように、段階的な改善を積み重ねることで、無理なく成果を創出し、Salesforceを中長期的に活用していくための土台を築くことができました。運用・保守を起点に改善を回せる体制を整えることで、Salesforceを部門横断の事業基盤へ育てることができました。
お客様からいただいたコメント
お客様よりいただいた実際のコメントをご紹介します。

事業本部長様
Salesforceは導入していたものの、事業全体を支える基盤としては使い切れていないと感じていました。
クオンツさんは現状を否定せず、運用フェーズから段階的に改善する提案をしてくれた点が印象的でした。
限られた予算の中でも着実に成果が出ており、早い段階で相談して良かったと感じています。

ご担当者様
以前は他部門への確認に時間がかかっていましたが、Salesforce上で必要な情報を確認できるようになりました。
その結果、提案準備がスムーズになり、営業活動に集中できる時間が増えています。
小さな改善も相談しやすく、現場の使い勝手が着実に良くなっています。

ご担当者様
仕入れ情報をSalesforceで共有することで、他部門との連携がスムーズになりました。
自分たちが入力した情報が営業活動に活かされていることが分かり、部門としての価値を実感しています。
困ったときにすぐ相談できる点も安心感につながっています。
【今後の展望】Salesforceを“事業基盤”として進化させる
今回の取り組みを通じて、同社ではSalesforceが単なる営業管理ツールではなく、事業全体を支える基盤として機能し始めているという手応えを得ています。運用・保守を起点に、無理のない形で改善を積み重ねてきたことで、Salesforce活用に対する社内の認識も大きく変化しました。
今後は、営業・仕入れ・賃貸管理といった各部門の業務連携をさらに強化し、Salesforce上で扱うデータの質と活用度を高めていく方針です。部門ごとに蓄積される情報を横断的に活用することで、意思決定のスピードや精度を高め、より付加価値の高いサービス提供につなげていくことを目指しています。
また、Salesforceを中心としたシステム基盤を継続的に進化させていくため、今後も段階的な投資と改善を続けていく考えです。運用フェーズから始めた取り組みを、将来的な機能拡張や高度化へとつなげ、事業成長を支えるIT基盤として定着させていきたいと考えています。
同社は今後もクオンツを長期的なパートナーとして、現場に寄り添った改善と中長期視点でのシステム活用を両立させながら、Salesforceを軸とした業務基盤の強化に取り組んでいく予定です。
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